独立開業には、個人事業主と法人の2つの選択肢があります。開業方法や経費の取り扱い、税金において、あらゆる面で開業形態が異なっているため、双方の違いを理解した上で自身に適した方法を選択しましょう。
今回は、個人事業主と法人の違いや、メリットデメリットをご紹介します。開業に興味のある方、どちらの開業形態にしようか迷っているという方は、ぜひ参考にしてくださいね。
個人事業主と法人の違いとは?
個人事業主と法人の大まかな違いについてみてきましょう。
個人事業主は個人で事業を営む方のことで、税務署に必要書面を提出するだけで簡単に開業できます。事業年度は1月1日~12月31日で、確定申告を翌年2月16日~3月15の間にしなくてはなりません。
法人は登記による設立手続きが必要で、法務局が管轄となります。事業年度は4月1日~翌年3月31日の場合が多く、2カ月後の5月ごろまでに税務署へ確定申告をしなくてはいけません。
法人よりも起業がスムーズ!個人事業主のメリットデメリット
個人事業主のメリットは起業のしやすさで、開業届けを税務署に提出するだけで開業できます。あわせて青色申告承認申請書を提出しておけば、確定申告時に控除額が大きくなるため税金面でお得です。また、銀行口座の開設に審査などがなく、個人口座を開設するだけで済みます。
届け出をしなくても、確定申告しなくてはならない事業所得があれば個人事業主といえるほど、起業に手間がかかりませんよ。一方で、赤字繰り越しが3年までなど、経費や税金におけるデメリットがあるほか、信用度が低く見られがちになることもデメリットといえるでしょう。
個人事業主より税制面で優遇!法人のメリットデメリット
法人は税金と信用の面でメリットがあります。税金においては、収益に対して所得税だけでなく法人税が課税され、所得税より累進性が低いので節税効果は大きいです。所得税は事業主の報酬にのみかかり、法人税は残りの収益部分にかかります。
また、個人事業主と比較すると信用度が高い傾向にあり、取引にプラスの差がでる可能性があるでしょう。ほかにも経費計上の項目範囲が広かったり、赤字繰り越しが最長9年と長かったりするのもメリットです。一方で、受けられるメリットが多い分、起業手続きが煩雑で赤字でも税金がかかるというデメリットもあります。
まとめ
個人事業主と法人には大きな違いがあり、得られるメリットデメリットも異なります。手軽に起業したいのであれば個人事業主がおすすめですが、年商が1,000万円を超すようであれば法人の方が税金面でメリットが高いですよ。ただし、信用力の差もありますので、開業する事業形態に合わせて適切な選択をしましょう。
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